Vol40. 京都おいしい減塩プロジェクト応援企画 第1弾~今なぜ減塩~京都市管理栄養士
「減塩」という言葉を聞いてどのようなイメージを持ちますか?”薄味”や”ぼんやりした味”というようなマイナスイメージを持つ方も多いと思います。
「減塩は必要」と理解しつつも、毎日の食生活で実行する事はなかなか難しく、いつも通りの味付けに。食べるのならば美味しい方が・・・と減塩が置き去りになってはいませんか?
では、なぜ減塩は必要なのでしょう。
世界 195か国を対象にした、非感染性疾患(NCDs)による死亡・障害調整生命年(DALYs)に対する不健康な食事の影響をみた研究報告※1によると、世界的には全粒穀類の摂取不足が最も影響が大きい食事因子であるのに 対し、日本を含む東アジアで、ナトリウムの多量摂取が最大の食事因 子となっています。
また、人口動態統計によると、NCDs は日本の死因の 50%以上を占めています。成人の NCDs と傷害による死亡に対する主要な決定因子 (単一の因子)をみた研究※2では、食事因子としては食塩の過剰摂取が最も大きいことが示されています。
※1GBD 2017 Diet Collaborators. ncet. 2019;393:1958-72.
※2Ikeda N、 et al. PLoS Med. 2012;9(1):e1001160.
〇リスク要因別の関連死亡者数(2007年)
引用 平成29年版 厚生労働白書
私たちはいったいどれくらいの塩分を1日にとっているのでしょうか。
約50年前は、日本の北部では食塩摂取量が30g近くあったと言われています。※3その後、食事の欧米化や健康志向の高まり等から全国的に食塩摂取量は減少し、2019(令和元)年の国民健康・栄養調査結果では1日の食塩摂取量の平均値は10.1gでした。ただ、生活習慣病予防のための食塩摂取目標※4の男性7.5g未満、女性6.5g未満に対して2g以上多い状況にあります。また、高血圧予防のためには6g未満とさらなる減塩が必要です。
※3 Meneely GR et al: Med Clin North Am 1961 より ※4 日本人の食事摂取基準(2020年版)
コロナ禍の今、健康である事の大切さを誰もが再確認しています。未来の自分のために一緒に減塩生活を始めてみませんか?
これから「京・食ねっと」のコラム「つれづれ日記」では、4週にわたり、様々な視点からの減塩方法を京都市管理栄養士がリレー形式でお伝えします。来週は「調味の工夫で減塩」です。
もっと減塩について知りたい方はこちら→正しく知って、おいしく減塩!