ナトカリを知って
高血圧を予防しよう
ナトカリとは、食塩(ナトリウム)の「ナト」とカリウムの「カリ」を組み合わせた言葉です。
食塩(ナトリウム)を多くとると血圧が高くなりますが、カリウムはその反対の働きがあることが分かっています。
「これ以上の減塩は難しい」という人でも、野菜、果物、牛乳、大豆製品など、様々な食品に含まれるカリウムの摂取量を増やして、高血圧を予防しましょう。
※カリウム制限を指示されている方は、主治医にご確認ください。

カリウムとは
私たちは日々、様々な栄養素を摂取して生命を維持しています。必要栄養素にビタミン、ミネラルがありますが、カリウムは必須ミネラルのひとつで、人体にも多量に存在します。
カリウムは、動物·植物ともに細胞内に最も多く存在するミネラルで、私たちは多量のカリウムを日々摂取し、排泄することで体調を維持しています。植物の成長にとっても必須なので、カリウムは肥料の三要素(窒素、リン酸、カリ[カリウム])の1つです。動物は、カリウムを蓄えた植物などからカリウムを摂取して、体内で活用します。私たちは、野菜、果物、牛乳、肉、魚など、様々な食品からカリウムを摂取しています。
血液中のカリウム濃度の低下による「力が入らない」といった欠乏症状が現れることは稀で、味も無いので普段はあまり注目されませんが、「長期間にわたり少なめ」の状態が続くと高血圧になりやすいことが分かっています。
カリウム摂取目標量と日本人の摂取量
| カリウムの摂取目標量 (成人1人当たり) |
世界保健機関(WHO)のガイドライン 3,510mg/日以上 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 男性 3,000mg/日以上 女性 2,600mg/日以上 |
|---|---|
| 実際のカリウム 摂取量(平均) ※令和6年国民健康·栄養調査 |
男性 2,229mg/日 女性 2,118mg/日 |
ナトリウム・カリウムと血圧の関係
私たち日本人は、「年をとれば血圧は高くなるもの」と思っていますが、INTERSALT研究では、アマゾンのジャングルで生活するインディアンの集団では、1日当たり食塩摂取量は1g未満と少なく、カリウム摂取量は約4000mgと多く、これらの集団では加齢に伴う血圧上昇がほとんど見られませんでした(20代と50代の参加者で血圧差はほぼ同じ)。
食塩[ナトリウム]を多くとると血圧は高くなるが、カリウムにはその反対の作用があります。なお、最近の日本人の食塩摂取量は約10g/日、カリウム摂取量は約2200mg/日です。高血圧予防に野菜·果物をすすめるのは、低カロリーでカリウムを効率よく摂取できるのが理由です。

カリウムは高血圧予防ミネラル
カリウムの摂取量は、日本人では1日1000mgほど不足しています。
食塩のとり過ぎで、血圧は上がるけど、カリウムを多くとると、血圧は下がる


ナトカリ比と血圧の関係
日本人では、中年期以降に高血圧になる方が多く、高血圧予防のために減塩しよう、と呼びかけられてきました。数十年前と比較すれば、食塩摂取量は3-4gほど減りましたが、ここ10年はほとんど減っておらず、世界保健機関(WHO)の減塩目標(1日5g未満)からはほど遠い状況が続いています。
日本人で減塩が進まない理由に、塩味が日本食の美味しさの大事な成分で、減塩すると美味しさを損なうことが考えられます。そこで最近は、「食塩[ナトリウム]と反対の作用をもつカリウム」が注目されています。ナトリウム摂取量をカリウム摂取量で割った比である「ナトカリ比」は、食塩摂取量が多いと大きくなり、カリウム摂取量が多いと小さくなります。
「これ以上の減塩は難しい」という人でも、野菜、果物、牛乳、大豆製品など、様々な食品に含まれるカリウムの摂取量を増やすことで、ナトカリ比を改善することができます。「ナトカリ比」が大きい人では、血圧値が高い傾向にあります。減塩だけじゃない、ナトカリ比を下げることで、高血圧を予防しましょう。
健診時の随時尿検査において、尿中ナトリウム/カリウム比が大きいほど、血圧平均値は高くなりました。
減塩だけでなく、カリウムの力も借りて高血圧を予防しましょう。
※カリウム制限を指示されている方は、主治医にご確認ください。


※年齢、性、BMI、降圧剤内服の有無、健診月を調整
※矢巾町特定健診結果より 奥田他 第51回日本循環器病予防学会
カリウムを上手にとるコツ
野菜にはカリウムが多く含まれています。1日の野菜摂取目標量の350gを目指して、野菜を積極的に食べましょう。
野菜350gの目安はこちらから
野菜に含まれるカリウム量
(可食部100g当たり)
※日本食品標準成分表(8訂)参照
-

ほうれん草(ゆで)
490mg -

にんじん(油炒め)
400mg -

ブロッコリー(ゆで)
210mg -

トマト(生)
210mg
果物にはカリウムが多く含まれています。1日の果物摂取目標量の200gを目指して、果物を積極的に食べましょう。
果物200gの目安はこちらから
果物に含まれるカリウム量
(可食部100g当たり)
※日本食品標準成分表(8訂)参照
-

アボガド
590mg -

バナナ
360mg -

キウイフルーツ
300mg -

りんご
120mg
牛乳·乳製品や豆乳でもしっかりカリウムをとることができます。
まずは、1日1杯飲む習慣をつけてみましょう。
牛乳を多く飲む方やコレステロールが気になる方は「低脂肪乳」がおすすめです。「低脂肪乳」でもカリウムは牛乳と同じくらいか、それ以上にとることができます。
牛乳や豆乳に含まれるカリウム量
(可食部100g当たり)
※日本食品標準成分表(8訂)参照
-

豆乳
190mg -

普通牛乳 150mg
低脂肪乳 190mg -

ヨーグルト(全脂)
170mg
カリウムは野菜や果物に含まれていますが、海藻類や魚·肉、いも類にも含まれます。
魚・肉は、脂質の少ないものの方がカリウムは多いです。
バランスよく食べることで、多くの食材から効率的にカリウムをとることができます。
肉·魚·芋·豆類に含まれるカリウム量
(可食部100g当たり)
※日本食品標準成分表(8訂)参照
-

まぐろ
380mg -

豚もも肉(赤身)
370mg -

じゃがいも(ゆで)
340mg -

絹ごし豆腐
150mg
おいしく減塩かしこく減塩
まずは、毎日の食事を塩分チェックで確認し、食塩摂取量を見直してみましょう。
塩分チェックはこちらから
おいしく減塩できるコツはこちらから
京都市管理栄養士の
カリウムUPレシピ

ホイルでかんたん肉豆腐
エネルギー 187kcal
食塩相当量(汁は半分) 1.4g
カリウム 374mg
少量では作りにくいものがホイル蒸しにすることで、簡単に作ることができます。

豚肉と厚揚げのピリ辛炒め
エネルギー 168kcal
食塩相当量 0.5g
カリウム 621mg
炒める前に野菜をさっと湯通しすることで、
少量の油で手早く炒めることができます。
野菜からの水分が出ることを防ぎ、
シャキッとした食感を味わうことができます。
少ない調味料で味付けOK。

ブロッコリーのからしマヨネーズ和え
エネルギー 64kcal
食塩相当量 0.1g
カリウム 165mg
ブロッコリーを冷凍しておけば、
あと1品欲しい時などに、ぱぱっと作れます。

カリカリおじゃことじゃがいものかつお節炒め
エネルギー 91kcal
食塩相当量 0.8g
カリウム 351mg
カリカリしたちりめんじゃこ やかつお節のうま味で、 おいしくいただけます。

ごぼうとまいたけの豆乳スープ
エネルギー 60kcal
食塩相当量0.9g
カリウム 340mg
カリウムは水に溶けやすいので、 スープにすることで無駄なくいただけます。

牛乳わらびもち
エネルギー 82kcal
食塩相当量 0g
カリウム 144mg
牛乳、きな粉、黒砂糖を使った、カリウムだけでなくカルシウムもとれるデザートレシピです。
監修:京都府立大学大学院
生命環境科学研究科
奥田奈賀子教授
※年齢、性、BMI、降圧剤内服の有無、健診月を調整
※矢巾町特定健診結果より 奥田他 第51回日本循環器病予防学会