むし歯の基礎知識

むし歯にはどうしてなるの?

「むし歯菌(多い、強い)」「歯の強さ(弱い)」「食物(糖分など)」がそろって「時間」が経つと、むし歯ができます。

むし歯菌

1 感染を防ぐ

生まれたての赤ちゃんは、口の中にむし歯菌を持っていません。むし歯菌感染の年齢をできるだけ遅らせることが大切です。家族からむし歯菌が感染するといわれていますが、スキンシップをやめる必要はありません。周りの人たちの口の中の清潔やむし歯をきっちり治すことなどを心がけましょう。

2 歯みがきをしましょう

歯みがきはむし歯予防の基本です。歯みがきをマスターして、細菌のかたまりである歯垢を効果的に取り除きましょう。

子どもの歯と口のケアのポイント ⇒ 京・けんこうひろば:子どもの歯と口のケア

食物

糖分(砂糖など)を含む食べ物や飲み物は、むし歯の原因になります。しかし、糖分はからだに必要な栄養ですので、食べる量と時間を適切に工夫してとりましょう。

おやつは食事で不足した栄養を補うものです。1日3回食事をするようになってから、おやつは1日1~2回を目安に時間を決めましょう。

※糖分:砂糖(ショ糖)、果糖、炭水化物など

歯によいおやつ
口の中を酸性にしない食べ物 チーズ・季節の野菜
口の中にとどまりにくい食べ物 ヨーグルト・寒天・ゼリー
よくかむおやつ りんご・団子・スルメ・キシリトール(100%)のガム
食事を補うおやつ パン・おにぎり・お好み焼き
歯にやさしい飲み物 お茶・お水

むし歯を作りやすいおやつ
砂糖がたくさん入っている食べ物 砂糖入りガム・チョコレート・ラムネ・アイスクリーム
粘着性のある食べ物 キャラメル・ソフトキャンディー
口の中にとどまりやすい食べ物 アメ・クッキー・ケーキ・スナック菓子
味を長く楽しむ食べ物 チューブ入りアイス・棒付きキャンディー
歯をとかす酸性の飲み物 ジュース・乳児用電解質飲料(イオン飲料)・乳酸菌飲料・炭酸飲料

歯の強さ

歯の表面はエナメル質とよばれる体の中で最もかたい部分ですが、むし歯菌のつくる酸はエナメル質も溶かしていきます。歯の成分の溶けだし(脱灰)が進むと、最終的にはむし歯をつくります。

フッ化物と唾液は、歯の質を高めるための重要な役割をもっています。
唾液のはたらき
  1. 生え始めの歯を強くする
  2. むし歯になりかけた歯を修復
  3. 口の中を酸性から中性近くに戻す
  4. 口の中の粘膜を守る
  5. 口の中の汚れを洗い流す
  6. むし歯菌から守る         など…
フッ化物のはたらき

フッ化物は、水やお茶、海産物・肉・野菜・果物などの多くの食品に微量ながら含まれており、その働きのひとつとしてむし歯予防効果があげられます。

むし歯予防にフッ化物を使用することは、WHO、厚生労働省、日本歯科医師会など多くの機関・団体が推奨しています。

⇒ 京・けんこうひろば:歯を守るフッ化物

時間

むし歯予防のためには、食べる内容や量とともに、食べる回数や時間帯などを工夫することが大切です。

ふだんの口の中はpH7(中性)に近い弱酸性ですが、食べ物を食べると酸性になりはじめます。

歯の成分が溶け出すことを脱灰といいますが、pH 5.5以下になると脱灰が始まります。

だ液の作用で中和されもとにもどりますが、もとのpH 7(中性)に近い弱酸性にもどるには、50分ほどかかります。

間食など食べる回数の多い「だらだら食べ」を続けていると、だ液の働きが間に合わずに、酸性の状態が長く続き、むし歯になります。夜寝る前に歯をみがかない、哺乳びんでジュース、ミルクや母乳を夜間に飲むことも脱灰の時間を長くしてしまいます。

むし歯予防のために、4つのポイントを心がけてみましょう。

○生活リズムを整える
○食事とおやつの時間を決める
○だらだら食べたり、飲んだりしない
○食べたら歯みがきをする