高齢者の口の変化と根面むし歯

高齢者の口の変化と根面むし歯

加齢とともに、口の中にもさまざまな変化が起こります。

加齢による口の変化
  • 唾液が減る
  • 歯がすりへる
  • 歯茎がやせる  など

根面むし歯とは

根面むし歯は、加齢や歯周病などの影響で歯ぐきが下がり、歯の根の部分(根面)が露出したところにできるむし歯です。

歯は、口の中に見えている部分(歯冠部)を覆う硬い組織のエナメル質と根っこの部分(歯根部)を覆うセメント質と、それらの内側にある象牙質からなっています。

むし歯は菌の出す酸により歯が溶かされてできるものですが、歯根部は歯冠部と異なり、酸に強いエナメル質に覆われていないため、むし歯になりやすくなります。

フッ化物応用による予防

根面むし歯の予防にもフッ化物の応用が有効です。フッ化物は、歯の質を高めてむし歯を予防する方法です。

フッ化物の応用には様々な方法がありますが、家庭で利用できる身近な方法としてフッ化物配合の歯みがき剤があります。

成人・高齢者の根面むし歯に対しても、67%の予防効果があるとの報告があるなど、根面むし歯の予防においても効果があると考えられます。

とりわけ、初期の根面むし歯の進行停止には、フッ化物配合の歯みがき剤での歯みがきに加えて、フッ化物配合の洗口剤での毎日のうがいが推奨されます。

まずはご自身の根面むし歯の状態に合ったセルフケア方法を知るためにかかりつけ歯科医に相談してみましょう。

フッ化物とは?

⇒ 京・けんこうひろば:歯を守るフッ化物

 

<参考>

1 厚生労働省e-ヘルスネット.フッ化物配合歯磨剤.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-007.html

2 特定非営利法人日本歯科保存学会.根面う蝕の診療ガイドライン―非切削でのマネジメント―.株式会社 永末書店、2022.

3 一般社団法人日本口腔衛生学会、公益社団法人日本小児歯科学会、特定非営利活動法人日本歯科保存学会、 一般社団法人日本老年歯科医学会.4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法.2023年1月1日.