お酒と健康
飲酒による健康影響
アルコールは血液を通じて全身を巡り、全身の臓器に影響を与えるため、飲みすぎた場合には、いろいろな臓器に病気が起こる可能性があります。
がん、高血圧、脳出血、脂質異常症などのリスクは、飲酒量(純アルコール量)が増えれば増えるほど上昇し、飲酒量が少ないほどよいことが分かっています。
飲酒による影響は個人差も大きく、体調などその時の状態にも左右されます。
※純アルコール量は、酒に含まれるアルコールの量です。
主な身体への影響
1.年齢の違い
高齢者は若い時と比べて、体内の水分量が少なく、同じ量のアルコールでも酔いやすくなり、飲酒量が一定を超えると認知症の発症の可能性が高くなると言われています。
あわせて、飲酒による転倒・骨折、筋肉の減少等の危険性が高まります。
2.性別の違い
女性は、一般的に男性に比べて、体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ないことや、女性ホルモンのはたらきなどからアルコールの影響を受けやすいです。
3.体質の違い
アルコールを分解する体内の分解酵素の働きの強い・弱いなどが、個人によって大きく異なります。
分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により、顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態(フラッシング反応)になることがあります。
留意事項
〇 20歳未満の者
法律により禁止されています。
脳の発育に影響を及ぼし、若い頃からの飲酒によってアルコール依存症になるリスクも高くなると報告されています。
〇 妊娠・授乳期中の者
妊娠中の飲酒は、胎児へ胎児性アルコール症候群等をもたらすリスクが高くなります。
また、授乳中の飲酒も母乳を通じて体内に入り、健やかな育ちに影響を及ぼす可能性があります。
家庭内などの周囲の理解や配慮が必要です。
お酒の飲みすぎは、生活習慣病のリスクを高めます
生活習慣病のリスクを高める飲酒量
(1日あたりの平均純アルコール量)
生活習慣病のリスクを高める飲酒量(1日あたりの平均純アルコール摂取量)を男性では40g以上、女性では20g以上と示されています。
飲酒によるさまざまなリスクを理解した上で、純アルコール量に着目しながら、自分に合った飲酒量を決めることが大切です。
まずは自分の飲酒量を把握し、過度な飲酒になっていないかを確認しましょう。
自分の飲酒量を把握しましょう
あなたはどのくらいの頻度で、どのくらいのアルコール量を飲んでいますか。
1日あたりの平均純アルコール摂取量を計算してみましょう。
(参考)【アルコール摂取量チェック】
あなたの飲酒状況が、下表の赤色に該当する場合、生活習慣病のリスクを高めてしまう量を飲んでいるため、飲み方の見直しをしましょう。
飲酒状況の評価 ※
※健康日本21(第二次)及びWHOのガイドラインで規定されている飲酒による生活習慣病等のリスク評価
健康に配慮した飲酒の方法
〇 自分の飲酒状況について把握する
(参考)【飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)】
〇 あらかじめ量を決めて飲酒する
(参考)【アルコール摂取量チェック】
〇 飲酒前又は飲酒中に食事をとる
血液中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果があります。
〇 飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする
水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲酒をする、少しずつ飲酒をする、アルコールの入っていない飲み物を選ぶことなどは、飲む量に占める純アルコールの量を減らす効果があります。
〇 1週間のうち、飲酒しない日を設ける
こんな飲み方はしないでください
💡 一時多量飲酒(特に短時間の大量飲酒)さまざまな身体疾患の発症や、急性アルコール中毒を引き起こす可能性があります。
💡 他人への飲酒の強要飲酒はさまざまなリスクを伴う可能性がありますので、無理な飲酒を勧めることは控えてください。
💡 不安や不眠を解消するための飲酒飲酒を続けることで依存症になる可能性を高めたり、飲酒により眠りが浅くなり睡眠リズムが乱れることがあります。
💡 療養中の飲酒や投薬後の飲酒病気などの療養中は、過度な飲酒で免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。
💡 飲酒中又は飲酒後における運動・入浴など身体に負担のかかる運動飲酒により血圧の変動が強まることなどによって、心筋梗塞などを引き起こす可能性や身体のバランスが保てず転倒するなどにより、骨折等身体損傷を引き起こす可能性があります。 |