京の食育指導員

Vol.89 ポリ袋を使った湯煎調理の紹介をさせていただきました 【中京区】

2021年10月28日に、市営保育所食育委員会が企画する「災害時における食の危機管理~災害時に提供できる給食、非常食の見直しと活用~」というテーマのもと、ポリ袋を使った調理方法を紹介させていただきました。

今回、災害時以外にも「遅くまでお迎えを待つ子供達に提供できる食」に使える調理法としても提案させていただきました。

当日は、ポリ袋を使った湯煎調理で火を通したニンジンを食べていただくことで、固い根菜類などの食材も甘く美味しく食べられること、また、水が出ない緊急事態の際には、お米は研がずに食べられ、その味に大きな変化がないことも試食によって実感していただきました。

ライフラインが止まった際、ポリ袋、カセットコンロ、ペットボトルの水、鍋があれば、手元にある食材で調理ができ、一つのお鍋で、子供達の年齢に合わせて、お粥やご飯、離乳食などが一度に作れるメリットがあります。

この作り方を園の職員の方が共有していただくことで、調理師さん不在の緊急事態時にも、簡単な方法で子供達に食を提供できることをお伝えするとともに、「誰もが作れ、どの子供達でも食べられる基本的なメニュー」をそれぞれの保育園で決めておくことも提案させていただきました。

今回、このお話をさせていただくにあたり、事前打ち合わせや実習を重ね、その中で、「初めてポリ袋を使った湯煎調理を体験する人の気持ち」や「食べる側の立場、環境」などを様々な角度から想像し、当日の内容を決めていきました。

この準備期間は、学びの多い貴重な時間となり、また新たな発見にも繋がりました。

ポリ袋を使った湯煎調理は、調理の工程が少ないため簡単に思われがちですが、私自身は失敗を重ね、そこから多くのコツを得るなど、やればやるほど上達し、安定した調理ができると感じています。

また、私が体験した阪神淡路大震災の状況を思い返してみた時、長時間の災害となった場合の食事は、炭水化物に偏り栄養バランスが乱れることから、野菜などが食べられるこの調理方法を学ぶことは健康を守る手助けにもなると思っています。

いざという時にとても役立つ調理方法だからこそ、日頃の保育活動に組み込むことで、定番の調理法として広がり、また1人でも多くの方に知っていただくことで、災害時などにおける不安が少しでも軽減されればと願っております。

(Y.A)